毎年の健康診断で「白血球の数が多い(または少ない)」と指摘され、不安になった経験はありませんか?
白血球は体を守る免疫の要であり、その数の変動にはさまざまな意味があります。今回は、白血球数の異常が示す可能性と、どのように対応すべきかを解説します。
白血球とは?
白血球は、体内に侵入した細菌やウイルスと戦う免疫細胞です。その他にも、炎症反応を起こすことにより傷の修復を早めたり、アレルギー反応を引き起こしたりします。健康な成人では、白血球数は一般的に 3,300〜8,900/μL の範囲にあります
この範囲を外れると「異常」とされますが、必ずしも病気とは限りません。
白血球が多い場合
白血球が多い(=白血球増加症)原因としては、以下のようなものがあります:
- 感染症(風邪、扁桃炎、膀胱炎など)
- 炎症性疾患(関節リウマチ、潰瘍性大腸炎など)
- ストレスや喫煙
- アレルギー反応
- 一部の薬剤の影響
- 白血病などの血液疾患(まれ)
一時的な増加であれば、体が何らかの刺激に反応しているだけのこともあります。発熱や咳、痛みなどの症状がある場合は、感染症の可能性が高いでしょう。
白血球が少ない場合
一方、白血球が少ない(=白血球減少症)場合は、以下のような原因が考えられます:
- ウイルス感染の初期
- 薬剤の副作用
- 自己免疫疾患
- 白血病や骨髄の機能低下(再生不良性貧血など)
白血球が少ないと、感染症にかかりやすくなるため注意が必要です。
どう対応すべきか?
まず大切なのは、慌てずに再検査を受けることです。白血球数は日内変動や一時的な体調の影響を受けやすく、1回の検査だけでは判断できません。医師は、症状の有無や他の血液データ、既往歴などを総合的に見て判断します。
また、生活習慣の見直しも重要です。十分な睡眠、バランスの良い食事、禁煙、適度な運動は、免疫機能を整える基本です。
最後に
白血球数の異常は、体からの「何かが起きている」というサインの1つです。心配ないことも多いですが、まれに重い病気が隠れていることもありますので、放置せず、再検査を受けて、病気の早期発見につなげましょう。
当院は血液の病気の専門医が勤務しており、白血球数異常について、迅速に適切な対応をさせていただきます。