(更新日:2023年9月16日)
新型コロナウイルスに対するPCRまたは抗原検査などで「陽性」と判定された方への情報提供を致します。
陽性となってからの流れ
- 自宅療養期間を計算します。陽性者は、発症日を0日として、5日目まで外出を控えるようにお願い致します(例.発症日が9月1日の場合→9月6日まで自宅隔離)。買い物などの必要な外出は、マスク着用で行って構いません。また、発症後10日目まで続くため、隔離終了後3日間は、ご家族のいるところでもマスクを着用したり、会食を避けたり、重症化リスクの高い人(高齢者、免疫機能が低下している人)との接触はしないように行動することが必要です。
- 職場や学校に連絡をしてください。
- 発症日の2日前(-2日)以降に、マスク無しで会話したり、マスク着用でも換気の悪い空間・近距離で長時間会話した方がいる場合は、そちらにも連絡をしてください。
- 現在、同居家族の方は濃厚接触者としての自宅待機は不要とされていますので、学校や職場に行っていただいても構いません(念のため、学校・職場にご確認ください)。ただ、発熱や喉の痛みなど、新型コロナウイルス感染症を疑う症状があれば、1日置いて検査を受けるようにしてください。
必ず一読していただきたいウェブサイト資料
Q&A
- 感染者は自宅待機中に外出や仕事に行ってもいいですか? 濃厚接触者はどうですか?
- 新型コロナウイルス感染と診断された本人は、発症日翌日から5日間は外出を控えてください。テレワークは問題ありません。買い物など必要な外出は、マスクなど感染対策を行えば、行っても構いません。
濃厚接触者は、特に自宅待機は必要ありませんが、症状観察を行い、風邪症状があれば、発症した翌日に検査を受けるようにしてください。いずれの場合も、マスクの着用などの感染対策はしっかり行ってください。 - 自宅待機中に体調が悪くなったときはどこに相談すればいい? 勝手に救急車を呼んでもいい?
- まずは、新型コロナウイルスの診断を受けた医療機関にご相談ください。自宅療養中にどうしても具合が悪くなり、緊急で診察が必要な場合は、救急要請していただいても構いません。
- 保健所から連絡はいつごろ来ますか?
- 2023年5月8日以降は、保健所に発生届は提出しないことになりましたので、保健所からの連絡はありません。
- 自宅待機終了はいつまでですか?
- 発症日翌日から5日目までが、外出自粛です。
- 市販薬を飲んでもよいか?
- 風邪薬として販売されている市販薬を使うことは基本的に問題ないと考えられます。解熱剤として、私もアセトアミノフェン(カロナール®など)を好んで処方しますが、ロキソプロフェンNaやイブプロフェン、ジクロフェナクNaが新型コロナを悪化させるわけではありませんので、このあたりはあまり気にする必要はないと思われます。ただ、腎臓が悪い方はロキソプロフェンNaやイブプロフェン、ジクロフェナクNaが腎機能を悪化させる恐れがありますので、控えるほうが無難でしょう。腎臓が悪くない方は、アセトアミノフェンでは痛みが取れない場合に、ロキソプロフェンNaやイブプロフェン、ジクロフェナクNaを使うと良いでしょう。
個人的には「喉に効く」と謳っている市販薬をお勧めいたします(トラネキサム酸という粘膜の炎症を和らげる薬や、カルボシステインなどの去痰薬、血管収縮作用のある成分が配合されています)。
病院でなにか処方を受けている方で、飲み合わせが心配な方は、ドラッグストアの薬剤師・登録販売者とご相談ください。
市販の一般医薬品はインターネットでも購入できますので、介護者がおられない方はご利用ください。参考
- 抗原検査キットが陽性になったので、新型コロナの治療薬は処方してもらえますか?
- 2023年9月16日現在、重症化予防薬として、日本ではモルヌピラビル(ラゲブリオ®)と、ニルマトレルビル(パキロビットパック®)、エンシトレルビル フマル酸(ゾコーバ®)の3種類の飲み薬と、レムデシビル(ベクルリー®)という注射薬が承認されています。ただ、エンシトレルビル フマル酸以外のお薬は、治験で重症化リスクが高い患者を対象にして行われているため、重症化リスクが高い患者(造血幹細胞移植後など高度な免疫不全の方 または ワクチン未接種または1回のみ接種の方で、かつ、概ね60歳以上や、喫煙者、肥満、慢性心疾患、糖尿病、慢性肺疾患などの重症化リスクを高める基礎疾患がある方など)のみに処方しています。また、レムデシビル(ベクルリー®)という点滴薬もありますが、これらは病院または有床診療所でのみ使用可能となっており、当院では使用できません。また、カシリビマブ・イムデビマブ(ロナプリーブ®)、ソトロビマブ(ゼビュディ®)という中和抗体薬もありますが、前者はオミクロン株に、後者はBA.2で効果不十分とされており、現在は使用することはほぼありません。
最後に、エンシトレルビル・フマル酸ですが、他の薬と異なり、重症化リスクが高い患者には使用できないことになっています。期待される効果としては、「一定の症状(咳、咽頭痛、鼻汁・鼻詰まり、倦怠感、発熱・熱っぽさ)の期間短縮(8日→7日)」とされています。 - 新型コロナ治療薬の費用はどれくらいですか?
- 2023年9月15日に厚生労働省からの事務連絡によると、2023年9月30日までは全額公費(自己負担無料)でしたが、2023年10月1日からは、1回の治療当たり、1割負担の方で3,000円、2割負担の方で6,000円、3割負担の方で9,000円を上限として、自己負担が必要になります。また、2024年3月末まではこの金額ですが、4月以降はさらに変更になる予定です。
- 2023年6月24日現在、JR芦屋駅周辺の薬局でも調剤いただけるところが増えてきましたので、以前よりは処方を受けやすくなっていると思われいます。
- 新型コロナワクチンの6回目は接種すべきですか? 接種する場合、いつから接種してもいいですか?
- これまでの研究から、新型コロナ罹患後にワクチンを打った場合、打たなかった場合よりも感染しにくい・重症化しにくいということがわかっています。そのため、新型コロナにかかってしまった場合でも、3回目を行うことが推奨されます。また、接種する時期については、厚生労働省の審議会では、罹患後3ヶ月程度を目安にすることが暫定的に決まりました。残念ながら、いまの新型コロナワクチンはオミクロン株に対する感染防止期間があまり長くないため、もともと再感染しないとされる罹患後3ヶ月の間にワクチン接種することはあまり意味がないと考えられるからです。今後新しいワクチンが開発された場合は状況が異なるかもしれませんが、現状はそのようになっています。
- 従来の新型コロナワクチンの4回目を接種すべきか、それともオミクロン株に対応した2価ワクチンどちらを接種すべきですか?
- 芦屋市では2022年10月以降、2価ワクチンのみ接種になりますので、選択はできません。
- 保険会社や自分の会社に提出する自宅療養期間の証明書や、傷病手当金請求書を発行してもらえますか?
- 可能です(費用は頂戴しますが、書式によって異なります)。2022年9月26日以降は、自治体が自宅療養証明書を発行しなくなりました。医療機関では診断書を発行していただける可能性はあります。
新型コロナ関連の診断書・証明書は多岐にわたっており、保険会社・職場等によって要求されるものが異なります。必要な書式を患者様が把握された上でお申し込みください。現在、新型コロナ関連の診断書・証明書のお申込みはお電話でも受け付けておりますが、診断書・証明書は個人情報になりますので、なりすましでの詐取を避けるため、文書のお受け取り・お支払いは直接ご来院頂ますようお願いいたします。また、診察時に述べられた発症日・症状などを後日訂正することは出来ません。 - クリニック・病院にはどんなことで相談できますか?
- 新型コロナの自宅療養中の症状の対応や処方のご希望、診断書の作成などについてご相談ください。お電話の場合、診察中などで対応できない場合がありますので、出来る限りLINEをご利用ください。
感染者同士は隔離したほうが良いでしょうか?新型コロナウイルス感染者同士を隔離する必要はありません。同じ居室で過ごしていただいて構いません。発症して10日間経過しましたが、同居の濃厚接触者が新型コロナウイルス感染症を発症しました。最初に発症した者はまた濃厚接触者になるのでしょうか?濃厚接触者にはなりません。隔離期間が終了すれば、予定通り隔離終了となります。新型コロナウイルスのどの変異株か(デルタ株、オミクロン株(BA.1, BA.2, BA.5など))を調べてもらうことは出来ますか?変異株の判定は、一般的には実施されていません。行政検査に使われた検体を使って、県地方衛生研究所がサーベイランスとして変異株スクリーニング、ゲノム解析を行っていますが、現在一般から受託している検査会社はないと思います。兵庫県では、週毎に変異株PCR検査を発表していますので、こちらをご参照ください。
隔離期間終了後に、出勤前の診察や、PCR検査(抗原検査)は必要ですか? 会社から復帰前にPCR検査(抗原検査)を受けるよう言われましたが、対応頂けますか?2022年9月14日の更新前は、この質問には「隔離解除後のPCR検査は不要です」という回答を記載していましたが、濃厚接触者の隔離期間が5日に短縮されたため、少し事情が変化しました。
無症状の濃厚接触者が本当に感染していないのか(無症状病原体保有者ではないのか)は担保されないまま隔離解除になりますので、業務や家庭内で重症化リスクの高い人と接触する方は、PCR検査を受けてから復帰するほうが無難だと考えられるためです(もちろん、陰性であっても、感染しないとは断言できないのですが)。ただし、症状があっての検査ではないため、保険診療は適応されず、自費検査となります。
感染後10日経過したあとのPCR検査については、従来同様不要とです。隔離期間が終了すれば、そのまま復帰していただいても、医学的・行政ルール上は問題ありません。ただ、社内ルールとして復帰前のPCR検査(抗原検査)が必要な場合は、やはり自費となります。現在、抗原キットは一般用検査薬として、薬剤師のいるドラッグストアで購入できるようになりましたので、こちらを利用する手もあるかと思います。
復帰前のPCR検査(抗原検査)については、新型コロナウイルス流行初期に作られたルールが残っているだけの場合もあり、現在では意味のない検査と考えられますので、検査の要否・証明書の要否について、会社とご相談いただくことをおすすめいたします。
また、職場が従業員に復職にあたってPCR検査(抗原検査)を指示する場合(「受けてきてもらったほうがいいかも」のような微妙な言い方であったとしても)、検査費用は職場が負担すべきものと理解されています。そのため、指示を受けた場合、職場に費用を請求できるのか確認するようにしてください(当院が検査希望者にそのようにご説明させて頂くと、不要になったケースも多いです)。
家族に熱がありますが、受診できないので、オンライン診療で「みなし陽性」の診断をしてもらえますか?
診断書のご依頼について
診断書に記載する発症日は、診察時にお伺いした発症日とさせていただきます。診察後に日付を訂正をして診断書に記載することは出来ません。
新型コロナウイルス感染症に罹患された方で、診断書をご希望の方は、必要な書類をよくご確認ください。新型コロナウイルス感染症に罹患された方によく依頼される書類は以下のとおりです。
1. 健康保険 傷病手当金支給申請書
傷病手当金を健康保険(会社の協会けんぽや共済組合、保険組合など)に請求するための書類です。書式は、勤務先から渡される場合や、ホームページからダウンロードできる場合があります。協会けんぽ用は当院に準備があります。
2. 宿泊・自宅療養期間証明書
PCR検査・抗原検査の陽性判明日、医療機関の受診日〜自宅療養期間終了日を記載した証明書です。
3. 保険会社書式の診断書
2022年9月26日以降、軽症者で入院を要しない方への医療保険からの保険金支払いは廃止されました。ただ所得補償保険では、保険金が支払われる場合もございます。
新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者
- 傷病手当金は支払われないことが多いようです(国民健康保険、協会けんぽなど)。詳しくは加入している健康保険にご確認ください。
- 医療保険・生命保険などによっては、濃厚接触者でも保険金が支払われる商品があるようですが、一般的にはそうではありません。ご加入している保険会社にご確認ください。